妊娠・出産応援サイト 電子母子手帳 Babys!
メニュー

プレママ
こんにちは赤ちゃん! 初心者ママの子育てをサポート

Babys! > ビギナーママ > 子どもの健康 > 泌尿器・生殖器:停留精巣

子どもの健康
泌尿器・生殖器[停留精巣]

起こりやすい時期 : 6ヶ月~

イメージ
男児の精巣は、胎児期(妊娠3ヶ月頃~9ヶ月頃まで)に腹腔から陰のうまで下降し、出生時には陰のう内に位置するようになります。この生理的な精巣の下降が不十分で、精巣が途中で止まっている状態を停留精巣といいます。
停留精巣の頻度は生下時3%~4%(低出生体重児では20%)ですが、生後3ヶ月頃までは精巣の自然下降が期待でき、1才時には1%程度(低出生体重児では2%)となります。
生まれた時に停留精巣の状態であっても生後6ヶ月程度までは自然に下降する事があります。しかし1才を過ぎてからはほとんど期待はできません。


原因
精巣は胎児のうちに陰のうのなかに降りてくるのが普通ですが、何らかの理由でその精巣が降りるのをサボってしまい、生まれた時にまだ陰のうの中に入っていないと、停留精巣ということになります。
下降してくる過程の機序に関しては、胎児精巣が形成され男性ホルモンの産生が始まる時期に一致して精巣の下降も始まること、精巣はあっても男性ホルモンの産生または作用に傷害があるような特殊な症例で停留精巣が生じることから、胎児期の男性ホルモンが関与していることが示唆されていますが、未だ詳細は不明です。


症状
主な症状
精巣(睾丸)が確認できない
直接、触っても精巣が確認できない


注意深く陰のうを触ると精巣がふれますが、乳幼児期は精巣に付いている筋肉(挙睾筋)が過敏で反射的に収縮して精巣が陰嚢内にあったりなかったりしてわかりづらくなります。
入浴後など緊張がとれた状態になると下りているのは移動性精巣と呼び基本的には治療の必要はありません。何回か触ってみてふれない場合には泌尿器科の専門医に相談しましょう。


治療・対処法
健診で見つかることが多いのですが、ご両親が気づくこともあります。専門医が何回か診察して精巣が触れない場合には、腹腔内に精巣がある可能性や精巣が欠損している可能性があります。この場合CT、MRIやエコーで精巣の場所を調べる方法もありますが、最近では主に腹腔鏡による診断と治療が行われています。また、ホルモン検査(精巣を刺激するホルモンを注射して男性ホルモンの分泌能力をみる)を行う場合もあります。

陰のう内にある正常の精巣は体から離れているために、体温よりわずかに低い温度(0.5度低い)に保たれています。精巣の発育・精子の形成には、体温より低い温度でコントロールする必要があります。
停留精巣の場合、精巣は温度の低い陰嚢になく、体温の影響を直接受けます。そのため、手術しないで放置することにより、精巣の発育不良、精子産生能の低下などの危険性があります。
成人した後では、停留精巣からの発癌も正常人に比べ約40倍高くなると言われています。こういった理由で1才を過ぎても精巣が下降しないお子さんには積極的に手術をお勧めしています。

停留精巣を放置しておくといろいろな合併症が起こりやすい事が知られています。たとえば鼠径ヘルニア、精巣外傷、捻転、精巣腫瘍、不妊症などです。このような合併症を防ぐためにも手術が適切となります。

手術は一般的に左または右下腹部の皮膚を15mmほど切開し、精巣をいったん外に出し、精巣が陰のう内へ戻るくらいに伸ばし、陰のう内へ引き降ろし、陰のう内に固定する手術です(陰嚢の皮膚も5mm程切開します)。手術時間も比較的短時間で完了するもので、30~45分程度です。
ページトップへ戻る